E444T Granada / 1962

ギリシャ系移民の一家によって始まったEpiphone。20世紀の初めにマンハッタンに居を構えた一家は、マンドリンを始めとした楽器の製造・販売・修理業を住居兼工房の建物で経営し始めます。家業を受け継いだ長男のエパミノンダスは1928年に社名を現在のEpiphoneに改名。1930年代、ブームがバンジョーやアーチトップギターと変遷していく中、ライバルのGibson社としのぎを削りながらも両社は名声を大きくしていきます、しかし大戦中に生産体制に大きくダメージを受けた同社は、その後労働争議等も経て経営的に大きく落ち込む低迷期へと突入。50年代初頭に工房と深く所縁のあったレス・ポール氏はEpiphone救済をGibsonのテッド・マッカーティに進言。1957年同社はGibson傘下となり、翌年には新しいラインナップが展開され新たな道を進むこととなりました。本器は1962年製Gibsonカラマズー工場製の1本、 E444T "Granada"。少し珍しく50'sの雰囲気を残した王道のサンバーストカラーリングが魅力の１本。マホガニーネック/ローズウッド指板/16インチメイプルラミネイトボディ/メロディメーカーピックアップ搭載。最大の特徴は何といっても大きくデザインされたピックガード・アッセンブリで、メロディメーカーPUを備えたちょっとオモチャのような雰囲気が抜群にキュートなルックスを演出しています。GibsonのES-120Tに準じたモデル。P-90よりもクリアな出力のシングルコイルに加え、１Vol,1Toneのシンプルなサーキットは500kΩのポットを使っている為、ボディのアコースティックな鳴りに加えてより歯切れの良い明るく軽快なアウトプットを付与しています。フロント1発ですが、トーンコントロールで幅広く音色を楽しめる隅に置けないぽポテンシャル。ナット幅約43㎜のレギュラーワイドネックは、この年代らしく少し薄めで誰でも違和感なく手に取りやすいシェイプ。アンプラグドでもそれなりに鳴ってくれるため家弾きの一本としてもとってもお勧めです。こちら経年相応のウェザーチェック、ボディバックの打痕などはありますが、塗装の艶を残し一目見て綺麗なコンディションと思わせてくれる良い外観。ロッドの調整を含め良いネックのコンディションで音詰まりなどもなく気持ちよく演奏できます。ハードケースが付属。 Condition:EX+++ Body:Laminated Maple Neck:Mahogany Fingerboard:Jacaranda Fingerboard Inlay:Dot Bridge:Jacaranda Machine Head:Kluson Pick up:PU380 "Melody Maker PU" Nut width:42.9mm Scale:628.65mm Control:1Vol,1Tone Case:Hard Case