マーチンギターの中で最も有名なモデル"D-28"。現在同様の14fジョイントのドレッドモデルとして1934年に誕生してから、時を超え今もなお愛されるワールドスタンダードモデル。1944年にオリジナルスキャロップブレイシングが廃止された後、32年の時を経て現代に甦ったスキャロップブレイシング採用モデルの先駆け"HD-28"。どの時代においてもスタンダードである"D-28"を基にオールドテイストを持ったモデルとして、現在もラインナップを続けるロングセラーモデルのひとつです。本器は1977年製、製造初期頃の1本。いい具合に焼けた飴色のスプルーストップ、ローズウッドサイド&バック、マホガニーネック、スクエアロッド、エボニー指板&ブリッジ、グローバーロトマチックペグ、ブラックピックガード、ヘリンボーントリム、ジグザグバックストリップ、スキャロップドXブレイシング。戦前期の象徴であるヘリンボーントリム、当時のD-28をベースとし、Herringborn Dreadnoughtの頭文字を取ったネーミングとして名づけられました。当時のD-28と比較するとスキャロップブレイシングによって空気感の強い、ふくよかな響きを獲得。現行品のHD-28と比較するとブレイシングの位置が異なりフォワードではないため、芯の強く輪郭を感じやすい締まったサウンドが特徴です。70'sらしい重厚かつ基音の太いトーン、程よく含まれる空気感を纏い、ぼやけずに軽くなり過ぎず、ふくよかなサウンドをアウトプット。やや甘く線の太い音色はこの時期を象徴といえます。もちろんニッパチを感じる整ったサウンドバランスや癖のない扱いやすさも健在です。ナット幅は42.9mmでやや細身な緩やかなVシェイプ。親指で握り込んだ演奏スタイルにも対応しやすく、手馴染みの良さにも定評があり現行品のナット幅が広いと感じられている方にはオススメのネックグリップです。ネックヒール箇所に一度ストラップピンが取り付けられた跡があり、現在は埋められています。ピックガードは同じブラックカラーのモノへと交換されていますが良い雰囲気が保たれています。ネック裏1-5フレット付近の細かな打痕、ブリッジ6弦側のトップ面に長めの打ちキズ、その他擦り傷や打痕が見られますが、年代を考慮すれば綺麗な状態が保たれており、大切に扱われてきたことのうかがえる本器。ボディやヘッドの塗装に曇りが見られますが、この年代の当たりによく見られる症状ですのでご使用上での影響はございません。ネック周りの状態も良好に保たれ、標準的なセッティングでプレイアビリティにも優れた1本です。70'sサウンドをお探しの方はもちろん、これから古き良きサウンドをお求めの方は是非お試しください。ロゴが欠損しておりますがオリジナルハードケースが付属します。
Condition:EX+
Top:Solid Spruce
Side:Solid Rosewood
Back:Solid Rosewood
Neck:Mahogany
Fingerboard:Ebony
Bridge:Ebony
Machine Head:Grover/Chrome
Fingerboard Inlay:Dot
Rosette:White & Black
Binding:White/Herringbone
Pick Guard:Black
Pick up:none
Nut width:42.9mm
Scale:645.2mm
Case:Hard Case