D-35は1965年発表のロングセラーモデル。そもそもは良質で幅広の板材が少なくなったためにデザインされたモデルですが、単にコストダウンを図ったモデルではありません。ブレイシングなど内部構造もD-28とは異なり、音色も一線を画したもの。柔らかく広がりのある音色が特徴のD35は発売当初より途切れず製造され、現在も数多のミュージシャンに愛されている定番スタンダードモデルです。本器はカスタムを加えて製作が行われた2001年製のUSED品。スプルーストップ、ローズウッドサイド&バック、エボニー指板&ブリッジ、グローバーロトマチッククロームペグ、パール指板ドット、オリジナルブラックピックガード、アジャスタブルトラスロッド、オールドデカールロゴ、ヘッドトップグロス仕上げ、ノンスキャロップブレイシング。D-35の構造としてやや背が低いブレイシングを採用しているという話は有名です。ですが実際にはD-28と比べ幅も異なっており、幅自体は若干太め。その結果サウンドにも変化が生まれ、D-28とは異なったキャラクター、ルックスを持つギターとして生まれました。特徴的なのは3ピースで構成されたバック、指板バインディング、ボディバインディングの層の多さ。正面から見ても裏から見てもD-35だと分かる個性が確立されています。この時期ともなるとネックの厚みも現代的になり、やや薄めなグリップ。ナット幅は42.9mmの為、現行品のネックが合わなかった方にお試し頂きたいネックです。やはり深く柔らかいサウンドと繊細さを持った音色、歌モノで好まれてきたことも頷けるトーン。透明感があり華やかさを感じられます。強く弾くとドライブ感のある力強い響きを、指で爪弾くとキメの細かい響きを優しく奏でてくれます。広がるような音の出方、やや甘さを感じる音色。Martinラインナップの中でも比較的後発でしたが、しっかりキャラクターを確立したモデルです。指板サイドバインディング1弦側5F、7F、6弦側に3F、5F、7F、12F、15F、17Fとサイドポジの入る箇所にバインディング割れ痕が見られますが、現在では接着が施され隙間がある箇所は埋めて補修が施されています。またボディバック6弦側くびれ箇所にバインディング剥がれ跡が見られますが、接着し直されており問題なく使用することが出来ます。その他にはボディに僅か見られる細やかな当てキズ、ピックガードの薄い弾きキズ、ボディ全体に見られる薄い擦りキズ等多少の経年による使用感こそ見られるモノの、比較的キレイなコンディションをキープされている本器。トラスロッドの残りは少ないながらも、現状ネック周りのコンディションはキレイに整えられており演奏性良好な1本です。D-28とは違う魅力を堪能できる、守備範囲の広いドレッドノート。ストロークで柔らかく、フィンガーでしっとりと響く音色に浸れる1本。是非お手元でご体感下さいませ。
オリジナルハードケースが付属します。
Condition:EX+
Top:Solid Spruce
Side:Solid East Indian Rosewood
Back:Solid East Indian Rosewood
Neck:Mahogany
Fingerboard:Ebony
Bridge:Ebony
Machine Heads:Schaller/Chrome
Rosette:White&Black
Binding:White&Black
Fingerboard Inlay:Dots(Pearl)
Pick Guard:Black
Pick up:none
Nut width:42.9mm
Scale:645.2mm
Case:Original Hard Case