ピックアップが搭載された世界で始めてのフラットトップ"CF-100"がアンサンブルの中でも音量で負けないようにと発表されたのは1951年のことで、基本コンセプトを受け継いだJ-160Eは1954年に発表されました。50年代最終期となる1959年製で市場ではまず見ないオリジナルレフティー仕様の1本です。スプルーストップ、マホガニーサイド&バック、マホガニーネック、ハカランダ指板&ブリッジ、ペグはシャーラー製で二コブつまみタイプのクルーソンの見た目を持ったロトマチックタイプにリプレイス。ヘッドクラウンインレイ、ディッシュ指板インレイ、オリジナルピックガード、J-45と同じパターンのロゼッタ&トリム、トップ構造は極太のラダーブレイシングでオール合板の個体です。この時代、本来はつまみで上下させる大がかりな機構(いわゆるデカネジ仕様)ですが、60年より変更されるスモールネジタイプに交換されており、まさにビートルズギアとしてあまりにも有名な見慣れたあの仕様にしっかりとチェンジされています。J-160Eの特徴としては-45とボディーフォルムは同じですが、P-90は太くて甘い音が出しやすい位置に搭載されており、それに伴ってジョイント位置は15フレット目となっています。生音の賛否はありますが、合板単板の理屈を超え、名作で残されたサウンドが裏付けでこの仕様のギターでしか録音、ライブ含め再現不可という事実がここにあり、圧倒的な個性の前にステレオタイプな理屈などは吹っ飛んでしまう魅力があります。ザックリとした枯れた感触はもとより、音量もたっぷりでフラットトップとアーチドギターの中間のような音がします。前述でもお伝えした通り、このアイデンティティーがこのギターの最大の魅力でしょう。時間の経った楽器でしか味わえないウォームな生音でプラグインしてもビンテージの旨味が楽しめ、何せこのクールなルックスなので部屋の肥やしにもなります。ローポジションの指板にやや経年の使用により、削れはありますがオリジナルフレットをキープ。ピックガード回りに往年のピックスクラッチによる地肌が見える削れ、ネック裏のカポ傷、その他全体的に風合いの良い細かいウェザーチェック、ひっかき傷や打痕は多数で経年相応のキズはありますが、ウッド部分のクラックはなく良い状態をキープしています。ネックの状態も比較的良好です。ビンテージ品のJ-160Eは個体も少なく市場でも中々お目に掛かれない一品ですが、さらにレフティーともなると奇跡的な数値です。左利きでプレイをする方にとっては今後二度とお目に掛かれない可能性もあると思います。手入れはある一本ですが、コレクタブルなこの一品をぜひお手元に!オリジナルの50Sブラウン、ギブソンメダル付ハードケース付属。
Condition:EX+
Top:Spruce
Side:Mahogany
Back:Mahogany
Neck:Mahogany
Fingerboard:Jacaranda
Bridge:Jacaranda
Machine Head:Schaller
Fingerboard Inlay:Pearoid
Rosette:White&Black
Binding:White&Black
Pick Guard:Original Tortoise Color
Pick up:P-90
Nut width:42.5mm
Scale:628.65mm
Case:Original Brown Hard Case