ギブソンカントリーウェスタンは"サザンジャンボ"のナチュラルモデル(通称SJN)として、1954年より製造が開始されました。本器は製造開始から間もなくの1955年製、初期モデルです。スペックはサザンジャンボに準じた形となります。1955年は大幅にスペックが変更された年で本器は20フレットトータル、ノンスキャロップドXブレイシングが採用されたスペック変更後の仕様を持った個体となります。ラウンドショルダーボディー、スプルーストップ、マホガニーサイドバック、ハカランダ指板&ブリッジ、マホガニーネック、ノーマルスロットサドル、オリジナルクルーソンペグ、ダブルパラレログラムパーロイド指板インレイ、ダブルリングロゼッタ、べっ甲柄セルロイドピックガードはガードクラック修正のためオーバーサイズにリプレイス、ノンスキャロップドXブレイシング、ナット幅約43ミリ、ヘッド角17度、オリジナルフィニッシュ、ブリッジピンは交換されています。40年代ほどではありませんが、やや厚みを持たせた硬派な握りのUネック。しっかりと弾きこまれた個体でビーフィーなサウンド、L50sギブソンの良さを存分に味わえます。空気を多く含み、煌びやかさも持ち合わせながらも少ししゃがれたノスタルジックな音立ち、カラカラに乾いたアスファルトに水が滴るように立ち上がりの熱量から一転クリスピーに散るように減衰していくサウンドはオールドギブソンの醍醐味。まさにこの時代の個体に求めるサウンドです。前述でも述べた通り、ピックガードクラックの修正痕が内側の上下に見られ、木部修正されており、その上を隠すようにリプレイスされたオーバーサイズのピックガードに交換されています。ややサウンドホールを覆うデザインに変更はされていますが、ピックガードの厚みやセルロイドの色味や質感は自然で違和感はありません。ボディートップのくびれの大きい部分付近の両端に軽微なクラック修正タッチアップ跡、ピックガード下部からブリッジの隙間あたりのトップ面がオーナーの弾き癖せに良く当たったのか深く削れており、木部の地肌がかなり見える状態にエグレはありますが現状リペアなく使用できます。過去にピックアップをマウントしていたと思われ、エンドピンがピックアップサイズに拡張されていますがジャックサイズの牛骨製エンドピンがマウントされています。ボディーはサウンドホールまわりによく見られる弾き傷や全体に見られるウェザーチェックやうち傷や打痕は多く見られます。ボディーバックにはバックル傷にて多面に渡り塗装の削れが見られます。ネック裏もローポジションから10F付近までカポ傷と見られる傷、塗装の剥がれは全体的に見られます。良く使われた個体ですが、オリジナルフィニッシュをキープしており、風合いは抜群。ネックはストレートで良いコンディションをキープ、フレットは交換されており、トラスロッドにも余裕があります。弾きやすい状態がキープされており、サウンド面はとても満足度が高い一本です。かなり出の少ないカントリーウェスタンの初期モノ。多少の手入れはありますが良い個体です。汎用ハードケース付属。
Condition:EX
Top:Solid Spruce
Side:Mahogany
Back:Mahogany
Neck:Mahogany
Fingerboard:Jacaranda
Bridge:Jacaranda
Fingerboard Inlay:Parallelograms
Machine Heads:Kluson/Nickel
Pick Guard:Tortoise Color
Pick up:none
Nut width:43mm
Scale:628.65mm
Case:Hard Case