style17は数あるマーティンのモデルの中でも各段に歴史が古く、イントロダクティングは1874年にまで遡ります。2サイズをメインに始まりました。その後1800年代末期には一度製造を中止しましたが、程なく1906年に復活。ウッドマテリアルが現在のように馴染みのある―オールマホガニースタイルとなったのは1921年からです。14フレットモデルとしての正式発表は1934年となりますが、実際は1932年より製造が着手されました。本器はその過渡期となる1933年製のもの、さらにカラーはシェ―デッド、トップサイド＆バックの希少な一本。1934年からはエボニーロッドからT-barロッドへバーフレットからTフレットへ変更されます。本器は変更前のスペックモノとなり、重量感の違いや音色のヌケ感は変更後のモノと一線を画します。愛らしいシングルーOシェイプ、オールマホガニーボディー、ハカランダ オリジナル指板、リプレイスハカランダストレートブリッジ、ロングサドル、3perプレートオープンバックチューナー、この時期年代ごとに独特の色合いを見せるリプレイスでは再現不可の塗り込みべっ甲柄ピックガード、エボニーネックロッド、5，7，9Fのアイボロイドスモール指板ドット、ボディー内ファブリックサイドストリップ、メイプルエンドブロックストリップ、スキャロップドXブレイシング、44.5(1 3/4inch)mmナット幅、バーフレット。およそ1.3kgという超軽量はエボニーロッドの影響が大きく、音色にも及びます。クリスピーで開放的、素早く立ち上がり潔く減衰しますが、各弦がそれぞれ全く濁らず透き通って抜けていきます。余韻にはオールマホガニーらしい柔らかみのあるトーンも含みこの時期の良個体でしか出しえない、現代では再現不可の音色でしょう。バックセンター上面ブロックの裏側あたりに軽微なクラッキング跡がありますが裏側がネックブロックに面するため問題ありません。全体的なラッカーチェックや塗装の剥がれを伴う歴戦のキズは多々ある事は否めませんが、前述以外の木部割れなどはありません。ネックはリセット済み、その際のセットアップのためブリッジはリプレイスされたものと思われますがサドル高も余裕があり、今後の調整もイージーです。ネックは綺麗なストレートでとても良い状態をキープとても弾きやすくセットアップされており、この年代のギターでこれだけ心地よい演奏性をキープ出来ている事が素晴らしいです。90年経過した個体とは思えないほどまだまだ現役で弾いて頂ける個体。オリジナルハードケース付属。

Condition:EX++
Top:Solid Mahogany
Side:Solid Mahogany
Back:Solid Mahogany
Neck:Mahogany
Fingerboard:Jacaranda
Bridge:Jacaranda(Replace)
Machine Head:3per Plate Open
Fingerboard Inlay:Ivoroid Small Dots
Rosette:Black&White
Binding:none
Pick Guard:Tortoise Color
Pick up:none
Nut width:44.5mm
Scale:632.5mm
Case:Original Hard Case