1970年から独立し東京の工房で製作を行ってきたベテラン製作家”星野良充”。20歳の頃に中出阪蔵氏の下で修業、その後ヨーロッパのフレタやアグアド、ハウザーの工房を訪ねたこともありその経験を活かして製作するベテランの製作家の一人です。惜しくも2022年に製作を引退し現在では限られた中古品のみ出回っています。本器は独立して間もない時期に製作された1本。”松/ハカランダ 655mm”の1975年製USED品。松単板表板、ハカランダ単板側裏板、黒檀指板、ローズウッド下駒、メイプル縁飾り、652mm弦長、セラック仕上げ。ボディの縁巻きに緑色のラインを使用しており、さりげない個性とお洒落を身にまとった装飾。「豊かな音量と明るく澄んだ音色」をモットーに製作を行う同氏。装飾は比較的シンプルに、その分サウンド重視。本器もその傾向を感じられ一貫したコンセプトを感じられます。驚くほどの個性があるということも無く、非常にシンプルで明快なサウンド。派手さはないものの底力の高さやポテンシャルの高さは感じられます。クリアで明瞭なトーン、曇りのない澄み切った音色です。透明感があるため、曇った表情を見せずにクールな立ち居振る舞いをしているようなそんな雰囲気を感じさせます。澄んだ明るいサウンドでしか表現できない曲や雰囲気を存分に出せる1本。トップのセンターシーム(板の継ぎ目)に剥がれてしまった痕が見られますが、現在では修正されており問題なく演奏することが出来ます。その点を除けば細やかな当てキズや演奏キズ等見られますが、経年を考えると比較的キレイと言えるコンディションを保たれた本器。ネックコンディションは良好、まだまだ使用していけるコンディションを保たれた1本です。惜しくも引退されてしまったベテラン製作家の作品。初期モノのハカランダを使用した贅沢な1本です。プロにも使用されるそのクオリティ、是非お手元でご体感くださいませ。
汎用ハードケースが付属します。
表板:松単板
側板:ハカランダ単板
裏板:ハカランダ単板
指板:黒檀
下駒:ローズウッド
指板幅:52mm
弦長:652mm