ギブソンフラットトップを代表する機種"J-45"。1942年に発表された本モデルは、その後数年のうちに数カ所のマイナーチェンジを迎え、過渡期を迎えます。本器は1946年製と思われる1本。最初期の仕様はスクリプトロゴの下に、"only a gibson is good enough"のバンナーデカールがありますが、46年~47年頃にかけてはこのバンナーロゴがなく、また48年からは近年でもよく見るブロックロゴに変わります。加えて、46年の製造のものにはS/Nが記載されておらず、それらの特徴から本器は1946年頃の製造と思われます。スプルーストップ、マホガニーサイド&バック、マホガニーネック、ローズウッド指板、ローズウッドレクタングルブリッジ、べっ甲柄ティアドロップピックガード、3連クルーソンの無刻印ペグに交換、アジャスタブルネックロッド、スキャロップブレイシング、エンドピンはウッドのものに交換されています。40sとは厚みが異なりますが、まだまだベースボールバットネックグリップを継承した握り応え良いどっしりとしたネックシェイプ。ドシっとガシャっとしたサウンドはこの時期までだからこそ得られるサウンドです。ヴィンテージならではのとてもよく乾いた経年のサウンドは塗り直しのないオリジナルフィニッシュだからこその味わいです。シンプルなロゼッタやバインディングもこの時期までのオールドのみの楽しみ。ヘッド裏にうっすらとご愛嬌のアメリカンなネイム彫り込み(アルファベットでJACKSON)、1弦側トップ端に2箇所クラック修正跡、6弦側肘の当たる箇所にサイド部にやや大きめの塗装剥がれ、バックセンターやや1弦側横に20cm強のクラック修正痕(パッチ修正痕あり)、ややセンター下部にかけてもクラック修正痕(パッチあり)、1弦側サイドよりの箇所に段差の残った修正痕、その付近に2箇所クラック修正痕とかなり割れの修理痕はやや多め。ブレイシングの接着修正跡もありますが全体的に使用に耐えうるためしっかりと直されており愛情を感じるギターです。ネックは綺麗なストレートでプレイコンディションは大変良好。ネックコンディションが良いからこそ基音が大きくハリがあり、弦が劣化しオールドギブソン特有の中音域に特徴のあるモコモコとしたポイントが出ても、もたらず良い味わいで主張してくれる良個体。対してリフレッシュした弦コンディションでは爆発的でクリアかつドライにたっぷりな音量で鳴ってくれます。弾き心地とサウンドで修理跡もあまり気にならないと思えるそんな個体です。この抜群の鳴りはぜひお手にとってお確かめ頂きたい1品。やや50年代のLifton、GIBSONメダル付きブラウンハードケース付属(やや剥がれあり)。
Condition:EX
Top:Solid Spruce
Side:Solid Mahogany
Back:Solid Mahogany
Neck:Mahogany
Fingerboard:Rosewood
Bridge:Rosewood
Machine Head:3per Plate/Nickel
Fingerboard Inlay:Dots
Rosette:Black&White 3Ply
Binding:White 1Ply
Pick Guard:Tortoise Color
Pick up:none
Nut width:44mm
Scale:628.65mm
Case:Original Hard Case(50's)