四国/愛媛はエム・シオザキ弦楽器工房の塩﨑雅亮氏。日本ではビンテージマーティン研究家・製作家の先駆け的存在とも呼べる巨匠ながら、今なおその研究熱心な姿勢に陰りを見せずトップを走り続け進化する世界に誇るベテランルシアー。M.Shiozakiブランドは塩﨑雅亮氏によってすべての工程を製作するブランドです。本器はD-2 1939 Aged Jacaranda。リアシフト移行後、1939年のドレッドノート28を氏の出来る限りの技術で再現しつくした至高の一品。これまで数多のメーカー、製作家がドレッド28モデルを手掛けた事でしょう。大体のディティールは近づける事は出来ても音色は異なるものという理解が多いと思います。塩崎氏は長年にわたりヴィンテージ・マーティンの研究を行い続け、その音色の本質を理解している世界でも数少ない製作家の一人。その研究は、トップ材の箇所によって異なる微妙な厚みの違い、表面上では判断できないブレイシング接着面の形状、接着剤の種類による張りへの影響、塗料の種類や塗膜の階層の分析、木材の加工面がどのように加工されたのかなどの工法や経緯の理解など、細部の目に見えない部分に至ります。もちろんそれらは塩﨑氏の研究のごく一部、長い年月をかけ様々な年式の実機を分解・分析し、一流の技術をもって再現・検証を繰り返された結果得られたものです。トリファイド・アディロンダック・スプルーストップ、色濃く重厚なハカランダサイド&バック、ホンジュラス・マホガニー・ネック、エボニー指板&ブリッジ、ロングサドル、Aging処理されたWaverly4076バタービーンチューナー、ハカランダヘッドプレート/デカールヘッドロゴ、ダイアモンドスクエアーアバロン指板インレイ、ネックボリュート、塗り込みべっ甲柄セルロイドピックガード、28スタイル・白黒ロゼッタ&ヘリンボーントリム、アイボロイド・バインディング、ジグザグバックストリップ、スチールTバーネックロッド、ニカワ接着、リアシフテッド・スキャロップド・Xブレイシング。木材の材質の密度や重量からなる音色を考慮し、本モデルの表板とブレーシングにはトリファイド・アディロンダック・スプルースを使用、手にした際のリアルな重量感、ブレイシングと表板の配置や形状はもちろん、響きに大きく影響する接着面の形状や加工方法も同年のオリジナル品の個体から緻密にデーターを採取した裏付けから行われており、接着するニカワの固さにいたるまで、手落ちのない手法を施されています。また2021年より開始されたエイジド・フィニッシュは、非常に薄く仕上げウェザーチェックと杢目に馴染むような質感がヴィンテージの風合いを醸しており、これまでにあるスペック・リイシューとは一線を画すより特別感のある仕上がりとなっている部分も見逃せません。リアシフトならではのコシの強い立ち上がりと圧倒的な音量、鈍さを全く感じない早いレスポンス。エアリーな38年仕様とはまた異なったニュアンスでボディー全体に伝わる強いバイブレーション音域帯で表しきれない空気の振動があります。新品という感覚が全くありません。ここまでの再現度は実物個体からの裏付けも含めて世界レベルでも中々見当たらないでしょう。まさに39年式ドレッド28スタイルの極みです。
Condition:NEW
Top:Solid Torrefied Adirondack Spruce
Side:Solid Jacaranda
Back:Solid Jacaranda
Neck:Honduras Mahogany
Head Top:Jacaranda with Decal
Fingerboard:Ebony
Bridge:Ebony
Machine Head:Waverly 4076(Aging)
Fingerboard Inlay:Abalone Diamond Square Inlay
Rosette:B&W
Binding:Herringborn Trim/Ivoroid binding
Pick Guard:Tortoise Color
Pick up:none
Nut width:42.9mm
Scale:645.2mm
Case:Original Hard Case