エピフォンは1873年よりスタートした名のあるブランド。1900年代初頭に製造の舞台をアメリカニューヨークに移してからはアーチドトップギターやバンジョー、マンドリンなどアメリカンミュージックのルーツとなる楽器を中心に製造、1920-30年代に最も人気を博したブランドです。のち1950年代にギブソンに買収吸収され、エピフォンブランドはギブソンカラマズー工場にて1970年まで製造、数十年の時を経て現在は初中級者向けの価格帯を中心としたラインナップをアジアンメイドにて製造しています。現在も目にされる方は多いと思います。ニューヨーク製造期、ギブソン工場製造期、現在のアジア製造期の大きく分けて3つの時期がありますが、それぞれに一線を画すもので特にギブソン製造期までのビンテージエピフォンは価値も高く、プレイヤー、ギター愛好者の中では高い評価です。当時エピフォンの中で最も高級なモデルとして登場したのが、このDe Luxe Masterbilt。1931年に登場したこのモデルは1957年まで製造されました。本器は1933年製、オリジナルエピフォンの1つの黄金期とも言える時代のお品です。当時各メーカーはフラッグシップモデルを如何に気品高くゴージャスに飾るかを競った時代、映画スターやトップアーティストが持つそのギターを所有することがステータスでした。モデルが発表された1931年から1934年までの短期間のみ、16 3/8インチサイズにて製造されました。(のち34年より17 3/8インチに変更となります。)スプルーストップ、メイプルサイドバック、メイプルベースのマホガニーとの積層ネック、ハカランダ指板、ブリッジトップは古い年代で交換されています。ロープパターントリム、ファンシーなデザインのMOP指板インレイ、希少なオリジナルのWaverlyシングルクリップドプレートオープンバックチューナー、オリジナルブラック2ピースピックガード、テールピースは小さめのスクエアの物に交換、ボトムエンドには前テールピースネジ穴の埋め痕があります。ヘッドにはシェルバナーをベースにEPIPHONE/DE LUXE/MASTERBILTの文字が刻まれ、美しい植物のインレイと共にゴージャスに彩っています。トップセンターシーム下部に沿って1か所、その1弦側横さらに2か所クラックの修正跡がありますがしっかりと修復されています。バインディングはオリジナル、全体にひび割れや一部欠損部分がありますがVINTAGEエピフォンではお馴染みと言ってよい症状で、必要最低限の継ぎ足しなど手入れされており風合いを損ねることなく使用にも不安はありません。ネックボリュート付近、ヘッドバックプレート部にヒビの修正跡がありますが、ネック部分には差し掛かっておらず問題ありません。全体的に薄塗のオーバーラッカーが見られますが風合いはキープされています。ネックは綺麗なストレート、大変高いプレイコンディションをキープした状態でこの年代の品では素晴らしく高い演奏性で音色も抜群です。この品を逃せば中々お目に掛かれない個体。特にジャズギター弾きの方にはドリームギターでしょう。プレイヤーにも嬉しいコレクターズマスターピースです。汎用のハードケース付属。
Condition:EX+
Top:Solid Spruce
Side:Solid Maple
Back:Solid Maple
Neck:Maple with two mahogany center strips
Fingerboard:Jacaranda
Bridge:Jacaranda
Machine Head:Original Waverly single, clipped plate Gold Knobs
Fingerboard Inlay:Fancy MOP
Rosette:none
Binding:White & Rope Trim
Pick Guard:Black 2 Ply
Pick up:none
Nut width:42mm
Scale:647.7mm
Case:Hard Case