シリアル管理される以前の希少な19世紀マーチンの"O-28"。ロゴスタンプや仕様から1867~1898年までの間の1本と思われます。スプルーストップ、ハカランダサイド&バック、シダーネック、エボニー指板&ピラミッドブリッジ、バーフレット、エボニーフリクションペグ、ハカランダヘッド化粧板、ヘリンボーントリム、象牙バインディング、スキャロップドXブレイシング。流石に美しい木材が使われており、とりわけハカランダは最近ではまず見られない繊細な柾目です。細かく手作業で入れられた装飾や飾り気のないフリクションペグなど、当時の楽器でしか味わえない哀愁とレトロ感も満載。当時スタンダードだった"1"よりも大きく、コンサートサイズと呼ばれていた"O(シングルオー)"。非常に軽く、経年からくるサイズを超越した音量も魅力で、コンパウンド弦でも十二分なパワフルさがあります。ペグ穴は木の?せと摩耗の改善のため小規模な埋め直しがなされています。トップのブリッジ下センターシーム沿いと、バックのセンターから左に3cmほどのところにボトムから20cmほどのクラック補修が見られます。いずれも楽器に負担をかけない必要最低限でキレイな手入れです。優に100歳を超えるギターですが、貫禄以上のキズやくたびれ感はなくキレイなもの。現代の主流からはやや弦高高めですが、コンパウンド弦セッティングのためテンションも低く嫌なストレスは感じません。力を入れずにコロコロと爪弾くだけで癒されるサウンド。現代鉄弦のルーツともいえる年代の、歴史を感じる感慨深い1本です。修理詳細はお気軽にお問い合わせください。
Condition:EX+
Top:Solid Spruce
Side:Solid Jacaranda
Back:Solid Jacaranda
Neck:Cedar
Fingerboard:Ebony
Bridge:Ebony
Machine Head:Ebony Friction
Fingerboard Inlay:none
Rosette:White&Black
Binding:Ivory/Herringbone
Pick Guard:none
Pick up:none
Nut width:47mm
Scale:632.5mm
Case:Hard Case