年々完成度を高めながらフラットトップを中心に製作しているルシアー西恵介氏。製作理念、構造理論などを学ぶためにアーヴィン・ソモギ氏の一番弟子として有名なマリオ・ボーラガー氏に師事。5年におよぶ日米での修行の後に自身の工房 "Keystone Stringed Instruments (要石弦楽器工房) "を2007年立上げました。本器は美事なマテリアルを贅沢に配した"SJ Cutaway"。2017年10月末に開催されたWoodstock Invitational Luthiers Showcase(WILS)にも出展された1本です。トップには揺らめく美しいベアクロウ杢が全面に入ったジャーマンムーンスプルース(ムーンスプルース=新月伐採された高付加価値材)、サイド&バックにはここ最近はお目にかかりにくくなってきた極上柾目ハカランダ目のマダガスカルローズウッドを使用。ワンピースホンジュラスマホガニーネック、エボニー指板、ハカランダブリッジ、ゴトー510ペグ、マダガスカルローズウッド3Dロゼッタ、ハカランダバインディング&バックコンター、フローレンタインカッタウェイ、スキャロップドブレイシング。とても美しい仕上げと高い完成度で、ショウモデルとして素晴らしい材を配して作り込まれた美事な1本。とてもしっかりとした印象で、パンチがあり野太く力強いサウンド。十分なヘッドルームを持たせており、音が潰れず多彩な音色を響かせます。堅牢なサウンドですが倍音豊かで表情豊か。決してソリッドな金属質な響きではなく、重厚かつ広がりのあるサウンド。それでいてタッチにはセンシティブに反応してくれる素直さを併せ持つ素晴らしい1本に仕上がっています。ネックは気持ち太めなアプローチですが、手になじみやすい緩やかなVとDを混ぜた様なシェイプです。非凡なデザインセンスや機能性も氏の魅力ですが、こう言ったストレートなアプローチでもそのセンスは光ります。今まで以上に音の厚みや、倍音の密度が増した氏の力作です。もちろんドロップチューニングでの安定感も抜群。いろいろなスタイルでポテンシャルを発揮しそうな、トップルシアーに匹敵さえする風格を感じる期待感の高い1本です。是非お手元でご体感下さい。
Condition:NEW
Top:Solid Bearclaw German Moon Spruce
Side:Solid Madagascar Rosewood
Back:Solid Madagascar Rosewood
Neck:Honduras Mahogany 1Pc.
Fingerboard:Ebony
Bridge:Jacaranda
Machine Head:Gotoh 510/Gold
Fingerboard Inlay:none
Rosette:Madagascar Rosewood Mosaic
Binding:Jacaranda
Pick Guard:none
Pick up:none
Nut width:44.5mm
Scale:645.2mm
Case:Original Hard Case