昨今では技術が非常に発達したことにより、低価格でありながらも高機能を備えた、いわゆる「ハイコストパフォーマンス」な楽器や機材が増えましたが、その中でも、特にマルチエフェクター関連の進歩は目覚ましく、年々様々な機能を備えた新製品が生み出されています。
今回、エレキベース用のマルチエフェクターの中でも特に人気が高い、「Zoom B3n」と「Boss GT-1B」の2機種のマルチエフェクターを比較し、初めてマルチエフェクターをご購入される方や、既にエフェクターをお持ちで、新しくご購入を検討されている方に参考にして頂ければと思います。
GT-1Bはベース用にチューニングされたマルチエフェクターです。
BOSS独自のCOSM(Composite Object Sound Modeling)という様々なモデリング技術を有機的に組み合わせた技術にて磨き上げられたアンプサウンドや、ヴィンテージから最先端なものまで90種類の幅広いエフェクトが搭載されています。
曲のジャンルや歪み量、エフェクトなどからパッチを探すことが可能なEASY SELECT機能や、直感的に音色を調整できるEASY EDIT機能などを搭載。本体のツマミやフットスイッチ、外部コントローラーにはGT-1Bの様々な機能をアサイン可能なため、使い方に合わせて細かいカスタムをお楽しみ頂けます。
本体のUSB端子とPCを接続することで、PCでのレコーディングや、BOSS TONE STUDIOとの連携が可能となっており、PCから本体のパラメーターの設定を行うことができますので、本体の操作が苦手な方でも、PCでお手軽にエディットが行えます。
過去にZOOMから販売されていたベストセラーマルチエフェクター、「B3」を元に新たな装いとなって発売されたのがこちらのB3nです。合計モジュレーションやコンプレッサー、歪み系や空間系等の86種類のベース用エフェクト、定番のアンプを元に作成された9種類のアンプモデルと10種類のキャビネットモデルが搭載されており、それらを最大7個まで同時使用が可能です。
B3nにもUSB端子が搭載されており、専用の「Guitar Lab 3.0」を使用することで、随時オンラインで配信されるエフェクトやパッチを追加し本体のサウンドライブラリを拡充できるようになっています。また、同ソフトウェアを使用することで、本体のエフェクトやパッチの設定をPC側で変更可能です。
それぞれの本体のサイズと重量は下記になります。
B3nと比べ、GT-1Bは奥行きが3cm程短い為スリムになっていますが、ボリュームペダルが搭載されている為、幅は7㎝程長くなっています。B3nはボリュームペダルが無い分幅は短いですが、フットスイッチなどの兼ね合いで奥行きがございます。お使いのケースに収まるかどうかでどちらにするかお決め頂くのも良いかと存じます。
BOSS GT-1B | ZOOM B3n | |
---|---|---|
幅 | 305 mm | 234 mm |
奥行き | 152 mm | 181 mm |
高さ | 56 mm | 58 mm |
重量 | 1.3kg(電池含む) | 1.28kg |
通常時は左側と中央の黒いフットスイッチでサウンドを切り替えます。右側の黒いフットスイッチでCTL1に予め登録しているエフェクトのオンオフがそれぞれ可能です。また黒いフットスイッチを同時に長押しする事でチューナーやLOOP機能が起動します。
各エフェクトの液晶下の各エフェクトの名前が書かれているスイッチを押すことでON/OFFの切り替えができますし、長押しすることで、液晶右側に搭載されているツマミで各エフェクトのパラメータの調整が可能です。
EDITではTONE、VIBES、ECHOの3種類をツマミを使用してそれぞれお好みのものを選択することで、各エフェクトが自動で設定され、現在鳴らしている音を簡単に変化させることが可能です。
EASYコントロールを使用することでジャンルに合わせて直感的にプリセットが作成できるので、お手軽にGT-1Bのサウンドをお楽しみ頂けるのが当機のおすすめな点です。
通常時は予め設定されているエフェクトが最大3つ(プリアンプは2画面仕様)画面に表示されており、それぞれのON/OFFを本体に搭載されているFS1〜FS3にてそれぞれ切り替えが可能です。
本体下部についている幅広の黒いスイッチの左側もしくは中央を押すことで、画面に表示するエフェクトを切り替えることができるようになっていますので、足元だけで複数のエフェクトのコントロールができるようになっています。
使用するエフェクトの種類は画面下にあるTYPEボタンを押すことで切り替えできるようになっており、また、それぞれのエフェクトのパラメーターを変更する際は、1~4番のツマミを回すことでそれぞれにアサインされている数値の設定を行えるように設計されています。
簡単な操作でエフェクト関連の切り替えができる点がB3nの良い点だと言えるでしょう。
今回の特集を作成するために、それぞれ実機を操作していて思ったのが、どちらも説明書を読みこまずとも直感的に操作ができるようになっており、初めてマルチエフェクターをご購入される方でも安心してお使い頂けるマルチエフェクターであるという点です。
GT-1BとB3nにはそれぞれ著名メーカーのアンプやエフェクターをモデルにしたエフェクトが搭載されております。どちらも元となっている実機の特徴を捉えたサウンドですので、ジャンルやバンドのサウンドに合わせてそのエフェクトを使用することで、実機がなくとも対応することができる手軽さも魅力の一つと言えるでしょう。
また、PCと接続することで音楽を鳴らしながらの練習や、録音ができますし、録音環境を整えつつサウンドに変化が欲しい方にも、こちらの2機種はおすすめです。
どちらが自分に合っているかを確認する、最も確実な方法は実際に店頭でお試し頂くことですので、もし興味をお持ちでしたら是非ご来店の上、スタッフまでお声がけ下さいませ。