世界初のコーラスペダル、1976年登場のBOSS CE-1 Chorus Ensemble。翌77年にはコンパクトエフェクターシリーズが始まり、その初代としてOD-1が登場となるわけですが、先行して発表された本器CE-1はBOSSブランド第1号のプロダクトとしても知られます。今なお世界中で愛用され続ける大定番アンプ、"ジャズコーラス"のエフェクト部分を抜き出した形で生み出され、当時まだまだ黎明期であったエフェクトペダルの世界において、美しい空間表現を可能にしたそのサウンドはエフェクタージャンルの幅を大きく押し広げたといっても過言ではありません。ACケーブルはもとより、電源スイッチ、パッシブの楽器の他キーボード等での使用も想定され設けられたHigh/Lowのインプット切り替え、増幅幅の広いボリューム、ステレオ出力など、まだまだアンプ的な設計思想を残す仕様。一目見てそれと判るアイコニックな外観はアルミダイキャストを用いたガッチリとしたデザインで、その後のBOSSコンパクトシリーズにも通ずるヘビーデューティな造り。2つのフットスイッチは左側のエフェクト/バイパス切り替えと、右側がモード切替。コーラスのモードでは左側の”chorus intensity”ツマミのみでのサウンドメイク。ヴィブラートモードでは右側の2つのツマミで"depth"、"rate"が細かく設定できます。ヴィブラートモードでのステレオ出力ではエフェクトのかかったWet音とDry音を別で出力する為、アンプ2台に繋げば美しく爽やかなうねり、幅広く奥行も感じられるJC-120直系の空間合成コーラスサウンドが得られます。逆にWet音のみをモノラル出力する場合でも、アンプやドライブの前段で積極的にモジュレーション感を活かしたサウンドメイク...というのもまた魅力的な使い方です。Highインプット接続時にはLowインプット側にはないバッファーを経由し、レベルを大きく持ち上げた際にエフェクト内でクリッピングし軽く歪む為、プリアンプ的使い方をするギタリストもいる他、繋いだ際に高音域が減衰することによる甘く太いヴィンテージトーンをサウンドメイクの肝としてペダルボードに組み込む場面も多々見られます。こちら細かな傷等は多少見受けられるものの顕著なダメージはなく、サウンドなどの機能性も抜群のコンディション。ゴム足は欠品をしております。明確な製造年は判断は難しいところですが、電源コードの表記より82年頃の製造と判断ができます。Eric Clapton、Char、John Fruscianteなどなど...長年多くのギタリストの足元に見られ、数々のシグネチャトーンにおけるアイコニックな存在感から、未だ憧れを褪せさせない名器。ぜひご検討ください。