1959年にイギリスに生まれたBurns Londonはアリス・ルイーズ・ファレルとジェームズ・オームストン（ジム）・バーンズによって設立されました。エレキギター黎明期において、現代のような"王道"スタイルがまだ確立されていなかった時流、数多くのプロダクトが次世代のスタンダードたる可能性を秘めて登場し、その中でも一際異色な存在感を示したブランドがBurns Londonでした。1965年には老舗ボールドウィン・ピアノ＆オルガン・カンパニーによって買収され、社名は”ボールドウィン・バーンズ”に改まることとなります。アメリカ最大の鍵盤メーカーであったボールドウィンは、それ以前にフェンダー社の買収を試みたりなどLMマーケットへの参入に積極的であったものの、ピアノ小売店でのギター展開は軌道に乗らず、60年代後半には新しく傘下としたグレッチのギターとドラムの取り扱いに注力をすることとなり、バーンズブランドは縮小、1970年に生産が終了しました。本器”Jazz Split Sound”は62年に登場。63~65年にはアメリカ流通モデルが"Ampeg"ブランドにて販売され、65年以降は"Baldwin"ブランド表記となりヘッド形状も変更されます。当ブランドの代表作であると同時に、その銘の変遷にも栄枯の体現を感じさせるメランコリックなモデル。こちらは62年～65年の間、イギリス国内で販売がされたであろう"Burns"表記、本流の一本。ポットデイト等の確認ができず明確な判断は難しいところですが、シリアルより63年頃の製造と考えられます。当モデルを唯一無二の物としている大きな特徴は、低音弦側と高音弦側にコイルが分かれたユニークなピックアップと4段階のアウトプットセレクト、そしてかなり独特な動きをする（そしてかなり不思議な弦交換が必要となる）独創性あふれるトレモロユニット/ブリッジです。分離された信号を取り出せるピックアップは、コントロールのロータリースイッチで4モードのサウンドを出力。それぞれ《WILD DOG：センター＋リア　フェイズ・アウト》《TREBLE：センター》《JAZZ：フロント》《SPLIT SOUND：1?3弦リア＋4?6弦フロント》のアウトプットプリセットとなっております。ブリッジはローラーで挟まれた底部がボディ上、中空に浮く設計で独特の滑らかな操作性。ブリッジカバーが欠品ですが機能性の問題はございません。その他内部の電装等オリジナルパーツをキープ。ネックのコンディションはストーレート。0フレットは打ち換え済みで良好なプレイコンディションです。Burns Londonハードケースが付属。

Condition:EX+
Body:Sycamore
Neck:Maple
Fingerboard:Rosewood
Fingerboard Inlay:Dot
Bridge:Burns London "Series Ⅱ"Vibrato System
Machine Head:Van Gent Closed Back w/Metal Knob
Pick up:"Split Sound" Tri-sonic
Nut width:43mm
Scale:593.72mm
Control:1Vol,1Tone,PU Selector
Weight:3.93kg
Case:Hard Case