オーストリア出身の"Michael Spalt”により創り出される"Spalt Instruments”。ウィーンの美術大学で美術・工芸を学び、サンフランシスコでは映像技術を学修、カメラマン、脚本家等、数々のキャリアを積んだ氏ですが、90年台後半からは自身の創造性を遺憾なく発揮できるライフワークとして10代のころから携わっていたギター製作の道を選択しました。"Michael Spalt"の代表作と言えるレジントップの"トーテムギター”に見られる、ギターのボディを立体的なキャンバスと見立てて表現したアートワークの数々には、独創性と抽象性に溢れた視覚的インパクトがありました。しかし彼のポリシーとして、それらのモデルは単なる可視的な"アート"作品ではなく、楽器としての信頼性・演奏性において確かなクオリティを有し、トーンにおいては演奏者のインスピレーションを鼓舞し新しい表現方法の可能性を拡張する物であることを求めています。時にアイコニックな存在となりうる側面が強い"ギター"において、その圧倒的な存在感で新たな価値観を提起する先駆的なギターを創造しています。本器は、2024年1月のNAMM SHOWにてお披露目された"Spalt Instruments”の新作モデル”CARCAVELOS #1"。LA・ウィーンにて活動していた"Michael Spalt”は現在はポルトガルに拠点を移し、2018年に参加した"The Guitar Barrel Project”に由縁して製作された新しいシリーズの1本。18世紀のワイン樽に使われていた古材”カルカベロス・マホガニー”を大胆に使用した逸品。 ”カルカベロス・マホガニー”は250年以上前に南アメリカのポルトガル領にて採取された上質なオールドマホガニーで作られたワイン樽からリクライムされた材で、製材することでほこり・鉱床・汚れが取り除かれ、何世紀にもわたって樽の中で熟成されたヴィンテージの香りが染み込んだ光沢のある木材です。トラッドでシンプルな構成ながら、マテリアルの質感・キャラクターをダイレクトに前面に押し出した大胆なルックスが魅力的な1本で、ボディトップの荒々しくも趣深い質感はワイン樽として繰り返し使われる際にミネラルが結晶化した"澱"を取り除く過程でつけられた傷を見事に活かしています。こちら"CARCAVELOS #1"ではワインの色素が深く浸透した様子がボディサイドから見て取れ、トップ側外周に沿ってまるでナチュラルバインディングのような意匠に仕上がっています。ボディバックはトップ面のワイルドな仕上がりとは対比的に滑らかな印象で、各所のコンターデザインなど意欲的な造形がなされております。握り心地のある少し太めの”C"シェイプネックグリップ。クリアで出力が明るい響きながら、個性的な倍音構成を持ち合わせ見た目だけでなくそのサウンドも他とは異なる1本。良質なマホガニーらしく、豊かなローと艶のあるミドルを持ちつつ素晴らしいレンジの広さを感じられます。ビグスビーB5を搭載しており、トーンポットのプッシュプルスイッチはフロント・リアをシリーズ接続の配線で、幅広いサウンドメイクを可能にしています。250年に至る経年と歴史的背景を持つ”カルカベロス・マホガニー”を使用した逸品。見てよし弾いてよし語ってよしの愛でるポイント溢れるプレイアブルなコレクターギターです。オリジナルハードケース、スペックシート、各種サーティフィケイト、'The Guitar Barrel Project'リーフレット、ストラップロック、シリアルが打刻されたカルカベロス・マホガニーのウッドタグが付属。

Body:Recrimed Old Mahogany "Carcavelos Mahogany"
Neck:Recrimed Old Mahogany "Carcavelos Mahogany"
Fingerboard:Indian Rosewood
Bridge:ABR / Bigsby B5
Machine Head:Gotoh Locking
Pick up: BoneTop P-90
Nut width:42mm
Scale:628.65 mm
Control:Vol,Tone(push/pull for series),PU selector
Weight:3.35kg
Case:Original Hard Case