永遠にギタリストの憧れであり続け、エレキギターの王道ともいえるLes Paul Model。52～60年にかけてのオリジナルレスポールが廃盤となり、60年台ではSGモデルの生産へと転換。68年の再生産、最初のリイシューモデルを経た後、ミニハムバッカーの採用と共に”Deluxe”へとモデルチェンジをしました。その後Les Paul Deluxeは、工場の移転なども受け、各所に仕様変更がなされながら85年頃まで製造。本器は3ピースメイプルネック採用の1978年製。その他のスペックもラージヘッド/角度の浅い14度角ヘッドアングル/ナッシュビル工場製を示す小さなネックサイドドット/ナッシュビルチューン搭載/鮮やかなチェリーサンバーストはネック裏、ボディ裏にもペイントされる等、独特のルックス、キャラクターが魅力的なLes Paulです。69年の後半頃から所謂”パンケーキボディ”へと変更されていたボディ構造は、この年78年からは1ピースマホガニーバックへと回帰をしていますが、トップメイプルは継続して3ピース。しっかりとしたボディの重量が感じられる、まさに70'sギブソンです。その後80年台以降、原点回帰の方向へと市場ニーズが遷ってゆき、90年台カスタムショップの設立～現在へと至りますが、その1つ前の時代、地層こそがナッシュビル工場の稼働が始まった70年台であり、近年また異なる評価をされることとなった”ノーリンエラ”、Gibson昏黄の時代といえるでしょう。
　最大の特徴であるミニハムバッカー搭載による明るい響きは、通常のハムバッカーに比べて低域が落ち着いている分音像がクリア。特有の粘りながらも挙動の速い立ち上がりの良さはこの年代のデラックスならでは。アンサンブルの中でもすっきりと抜け、存在感を示してくれる響きが魅力です。4.53㎏のしっかりとした重量と、浅いヘッドアングルにより、弦鳴りにシフトした造りは、エフェクター等の周辺機器によるサウンドメイクが本格化していく時代を体現しているともいえます。ある意味では現代的なアプローチにもぜひ有効的に使っていただきたい特徴です。
　こちらナットの交換がされておりますが、その他主要パーツの交換歴等は見られず各所良好なコンディションをキープ。フレットはこの年代らしく元より比較的平らな仕様で、多少のヘリがあるものの、顕著な凹みなどはなく、プレイコンディションは良好です。ボディ裏のバックル痕等経年相応の打痕、小傷などがありますが、著しく外観を損ねたり、構造上の瑕疵となるものはございません。オリジナルの”ロケットケース”が付属。
　　
Condition:EX＋
Top:３piece Maple
Back:Mahogany
Neck:3piece Maple
Fingerboard:Rosewood
Fingerboard Inlay:Dish
Bridge:Nashville Type Tune-O-Matic
Machine Head:Schaller Flower Logo
Pick up:Mini Humbucker
Nut width:43mm
Scale:628.65mm
Control:2Vol,2Tone,PUselector
Weight:4.53kg
Case:Original Hard Case