Gibsonソリッドギターの雄”Les Paul”において、68年の再生産以降大胆な構造の変更やLes Paul Deluxeの登場など、王道スタイルの不在が続いた70年代。追日、市場においてオリジナルサンバーストへの憧れが高まっていく中、その後のLes Paul Reissue～Historic Collectionへと続く、原点回帰への先駆けの一つとして発売されたのが当モデルです。70年代後半のディーラーオーダーによるセンター2シームトップレスポールや、前年79年に発売されたLes Paul Kalamazoo等の反響を受け開発、新しく稼働していたナッシュビル工場での生産が開始。
　当モデルに合わせて新登場したピックアップはハムバッカー生みの親であるセス・ラバーを招きティム・ショウが開発に携わったことから通称Tim Show PAF等で呼ばれております。68年以降浅い14度角であったヘッドは17度角スモールヘッドに回帰。ネック材も当時のメイプルではなくマホガニーネックを採用。”Heritage Series”ラインアップの中Standard 80は3ピースマホガニーですが、上位グレードである本モデル”Elite”では１ピースマホガニーにエボニー指板が採用されております。ボディ構造は王道の1ピースマホバックにフィギュアドメイプル2ピース・センターシーム、カラーリングに関してもより”バースト”然とした深い色味になりました。65年以降長らくクロームメッキだったハードウェアはニッケルメッキに変更。”憧れ”のイメージ踏み込んだルックスを手に入れました。
　しかしながらブリッジタイプ自体はナッシュビルチューンであったり、上位グレードという展開によりオリジナルでは存在しえない”Standardなのにエボニー指板”というウッドスペック等からも見て取れる通り、現代的なリイシューとしての完成度という価値観ではなく、当時求められたルックス、高級感といった需要に”愚直に向き合ったデザイン”と評価するべきモデルです。
　サウンドにおいても特有のパワー感を持ったピックアップや、重量のある本体から溢れるタイトで骨太いキャラクターは、50年代のLes Paulに比べ重心が低く堅牢な印象がまさにハードロック黄金期80年代らしい魅力的な特徴となっております。
　塗装面には全体的に細かいウェザーチェックが出ている他、ネック裏7フレット辺りを中心にチェリーカラーが擦れている個所があり貫禄も感じさせる風合い。小傷、バックル痕、細かな打痕等はあるものの著しく目立つダメージ等はなく、経年を鑑みると上々のコンディション、演奏面はとても良好です。テールピースがリプレイス。オリジナルハードケースが付属。
　ナッシュビルファクトリーによる最初期のリバイバル系レスポール！ぜひご検討ください。

Condition:EX++
Top:Figured Maple 2piece
Back:Mahogany
Neck:Mahogany 1piece
Fingerboard:Rosewood
Fingerboard Inlay:Acrylic Trapezoid
Bridge:Nashville Tune-O-Matic
Machine Head:Glover
Pick up:New PAF (Tim Show PAF)
Nut width:42.85mm
Scale:628.65 mm
Control:2vol,2Tone,PU selector
Weight:4.96kg
Case:Original Hard Case