マーチンにおいてOMモデルの復刻に大きく貢献をした"Eric Schoenberg(エリック・ショーンバーグ)”。ラグタイムプレイヤーでもある彼は、1960年代からマーチン社にOMモデルの製造をオーダーしていました。そして、その情熱をもって1986年から”Soloist Project”に取り組みます。今では当たり前のように見られる、OMスタイル・カッタウェイ・レクタングルピラミッドブリッジの形状を持った”Soloist”は、当時はもちろん、その後のアコースティックギター業界に大きな影響を残したモデルとなりました。本器は”Soloist Cutaway Jacaranda”。ダナ・ボジョアが”Soloist Project”を離れ、T.J.トンプソンが後任となった頃の1990年製の1本で、バックストリップには”T.J.Thompson”と”E.Schoenberg”のスタンプが確認できます。全面に柾目痕の浮き出た目幅の狭い極上スプルーストップ、しっかりと柾目で配された極上のハカランダサイド&バック、マホガニーネック、エボニー指板、エボニーピラミッドブリッジ、ウッドバインディング、べっ甲柄セルロイドピックガード、スロッテドダイヤモンド指板インレイ、クルーシンデラックスタイプゴールドペグ、カッタウェイボディ、スキャロップドXブレイシング。T.J.トンプソンが後任なって製造の主要部を自身で行うなど、さらなるこだわりを詰め込まれた本器。OMサイズとは思えない溢れる倍音としっかりとした音量。フィンガータッチでもしっかりと太くサスティンに富んだレスポンス。手に馴染む緩やかな山なりのネックシェイプ。どこを取っても当時その名を馳せた完成度の高さを伺える1本です。ハイフレットでの音のくぐもりもなく、また少し深くまでシェイプされたビンテージを思わすヒール形状など、こだわりと弾きやすさ、そしてサウンドを兼ね備えた逸品です。ボディトップのセンターシームの補修がされており、それに伴いブリッジが同形状のピラミッドブリッジにリプレイスされていますが、いずれもとても丁寧で上手な作業が施されています。それ以外の割れもなく、また使用傷や打痕なども見られず美しいコンディションです。ネック周りも良好で弾きやすいアクションをしっかりと保っています。ハイクラスなOMモデル。積極的に使え、また弾き応えのある1本。実力派向けのオススメ度の高い1本です。オリジナルハードケース付属。その他修理履歴など詳細はお気軽にお問い合わせください。

Condition:EX+
Top:Solid Spruce
Side:Solid Jacaranda
Back:Solid Jacaranda
Neck:Mahogany
Fingerboard:Ebony
Bridge:Ebony
Fingerboard Inlay:Slotted Diamond
Rosette:Wood
Binding:Wood
Machine Heads:Gold
Pick Guard:Tortoise Color
Pick up:none
Nut width:44.5mm
Scale:645.2mm
Case:Original Hard Case