四国/愛媛はエム・シオザキ弦楽器工房の塩崎雅亮氏。日本におけるビンテージギター研究家・製作家の先駆け的存在とも呼べる巨匠ながら、今なおその研究熱心な姿勢に陰りを見せない進化する国内有数・ベテランルシアー。これまであらゆる年代の特徴を忠実に再現したMartin Guitarレプリカの製作や、自身の解釈や発展を大きく取り入れたオリジナルモデルの製作など多岐にわたえる作品を産み出しています。本器は、1934年製スタイル18にフォーカスした”D-1 1934 Mint Collection“。1934年に14fジョイントモデルへ進化を遂げたドレッドノウトモデル。戦前モデルとして有名な14fDモデルですが、1934年初頭はGEモデルとは異なる仕様でした。1934年の発売初頭はネック補強芯がエボニーロッドが採用されており、またブレイシング位置は戦前モデルとしては有名なフォワードシフトの25.4mm(1”)位置ではなく、約30mm(約1.15”)とほんの僅かにブリッジ寄りに配されていました。そんな極僅かな時期にしか存在しないニッチでコアな仕様を盛り込んだ本器。トップには杢目揺らめく美しいトリファイドアディロンダックスプルース、サイド&バックにはフィギュアド杢が揺らめく極上ホンジュラス・マホガニーを使用。ホンジュラス・マホガニー・ネック、エボニーネックロッド、エボニー指板&ブリッジ、ロングサドル、Waverly4076Relicペグ、ハカランダ天神板、MOP指板ドットインレイ、塗り込みべっ甲柄セルロイドピックガード、ニカワ接着。本モデルの表板とブレイシングにはトリファイド・アディロンダック・スプルースを使用し、手にした際のリアルな重量感はもちろんトップ厚も忠実に再現されています。また、塗装にはここ数年、とても高い評価を得ているミントコレクションエイジド・フィニッシュを採用。傷などの加工はせずサウンド面に大きく影響するウェザーチェックと杢目に馴染むような質感がヴィンテージの風合いを醸しており、これまでにあるスペック・リイシューとは一線を画すより特別感のある仕上がりとなっています。フォワードシフトのGEモデルとは異なり、クリアで澄んだ響き。手にした瞬間にリアルビンテージと錯覚する質感は、ビンテージマーチンを知り尽くした塩崎氏ならではの業です。低音まで軽やかでヌケと伸びの良いトーンは、Tバーの重厚感とも異なり、フォワードシフトのダーティさとも異なる唯一無二の響き。新品時から驚くほどの音量があり、低音の折り重なる倍音感とマホガニーならではの明るい響きは、バック板を介しておなかに響く迫力の極上マホガニーサウンドです。外観は、全体的な焼け感やウェザーチェック、ダメージの度合いなど、エイジングレベルはヴィンテージギターのミントコンディションを再現されています。スタイル18モデルは現代に至るまでMartin社も含め多くのルシアーがその素晴らしさを認め尊重しながら、数多くのアプローチにて再現されてきました。その中でもトップクラスを誇る塩崎氏の製作モデルは、近年ますますの円熟味を魅せる美事な完成度です。究極の18モデルをお探しの方には、自信を持ってオススメしたい1本。是非お手元でこの完成度をご体感ください。

Condition:NEW
Top:Solid Torrefied Adirondack Spruce
Side:Solid Honduras Mahogany
Back:Solid Honduras Mahogany
Neck:Honduras Mahogany
Head Top:Jacaranda
Fingerboard:Ebony
Bridge:Ebony
Machine Head:Waverly 4076Relic
Fingerboard Inlay:MOP/Dots
Rosette:White&Black
Binding:White&Black
Pick Guard:Tortoise Color
Pick up:none
Nut width:44.5mm
Scale:645.2mm
Case:Original Hard Case