Benson AmpsによるGermanium Fuzzは、「熱バイアス・コントロール」を備えたゲルマニウムFuzzです。
2N527、2N404の2つのゲルマニウム・トランジスターを使用し、その能力を最大限に発揮できるよう60年代のFuzz回路理論を使用してデザインされています。そこに本機の特徴でもある「熱バイアス・コントロール」機能を搭載しました。
● ベストなサウンドを引き出す「熱バイアス・コントロール」機能
ゲルマニウム・トランジスターは非常にデリケートで、コンデンサーの温度によってコンデンサー間のバイアスが変わります。本機は、電源をONにするとヒーターがコンデンサーを適温まで優しく自動的に温めます。そのため外気の寒暖に関わらず、ベストなパフォーマンスが得られる訳です。適温になるまで待つ必要があるため、電源を入れてから使用開始できるまで2~3分かかります。
電源投入後、LEDはオレンジに点灯します。これは「温め中」の表示で、hFE(トランジスタのゲイン)を規定値まで高め、正しい電圧になるようバイアスを整えます。適温になるとヒーターがOFFになり、LEDがグリーンに変わり準備完了です。
動作中にLEDがオレンジとグリーンを行き来する事がありますが、故障ではありません。回路が常に適温になるよう、必要に応じてヒーターを動作させます。
本機は~約37.8℃を目安に正常動作するようデザインされています。テストの結果、直射日光の下では白い筐体の方が黒い筐体と比べて内部温度が約7℃低いことから、白を筐体のカラーに選んだと言うほど、温度に関して拘りました。
● IMPEDANCEコントロールとクラスAバッファー
IMPEDANCEのツマミが、入力インピーダンスをコントロールします。低い設定値では、高いゲイン設定でもギター本体のボリュームを下げた時のようなタイトなサウンドが得られます。しかし、本来は低いインピーダンス設定だと、手前にバッファーや他のエフェクターが接続した時、サウンドに悪影響を与えてしまいます。そこで我々はクラスAバッファーを入力部にプラスしました。このバッファーはJack Orman(世界で初めてコンパクト・エフェクターを作ったギタリスト)のような、オーディオ用トランジスターをインダクション・コイル、抵抗、コンデンサーをして使用した、パッシブ・ピックアップ・シミュレーター回路を採用しています。
このバッファーが他のエフェクターとの接続で発生する問題を解消し、手前にブースターを接続するなど今まで不可能とされていた接続を可能にしました。
● GAINのレンジ
本機では、クリーン・ブースト、オーバードライブ、そして豊富なオクターブ倍音のアグレッシブなファズまで幅広いサウンドを作り出す事ができます。GAINとIMPEDANCEの組み合わせにより、そのサウンドバリエーションは無限です。とくにユニークなIMPEDANCEのコントロールが、「ゲインを上げないとファズらしさが感じられない…」と言う悩みを解消してくれます。
● 電源に関する注意
・BOSSのPSA-100に代表される、9V DC(センター・マイナス)電源を使用してください。BR> 9V以外の電源を接続すると破損の恐れがありますので、絶対に接続しないでください。
・消費カレント(電流)は、ヒーター駆動時でも100mA以下ですが、供給が100mAを著しく下回る電源アダプターは使用しないでください。
ヒーターのスレッショルドが誤作動を起こし、LEDが暴走したり、発振音が鳴る場合があります。
・電池での駆動には対応していません。
● 内部トリムに関する注意
内部(基盤上)にあるトリムは絶対に触らないでください。出荷時にマーキングされた値以外で使用した場合、保証の対象外となります。
【仕様】
・電源: 9VDC/100ma電源アダプター
・サイズ: 11.8×9.2×5cm