広島・似島にて自身の工房を構える向江良太氏。カナダのマスタールシアーSergei de Jonge(サーゲ・デ・ヤング)の工房でノウハウを学び帰国。現在は自身の屋号でギター製作を勤しむ新鋭ルシアーです。本器はハンドクラフトギターフェス2022のために製作された最新作のショーモデル”RO 13F Cutaway Deep Body Engelmann Spruce & Curly Hard Maple”。Oサイズ、カッタウェイ。胴厚を通常ROサイズよりも厚くし、よりエアリーでボリューム感のあるサウンドを実現。小型のギターに秀逸な反応をするイングルマンスプルーストップ、揺らめきのある美しいカーリーのハードメイプルサイドバック、2ピースマホガニーネック、エボニー指板&ブリッジ、ゴトーSGL510クロームペグ、アートなワークが際立った芸術的なセグメントロゼッタは松田倫弘氏(Matsuda Guitars)、レオナルド・ブエンディア氏(Buendia Guitars)のお二人よりインスパイアされたデザインです。トップ構造にはエックスを軸としたオリジナルテーパーブレイシング、師匠譲りのサーゲヤング直伝の質の高い綿密なフレンチポリッシュ塗装。収まりの良い小振りでチャーミングなルックスですが、サウンドのボリューム感はワンサイズ上のレンジ感、ファットな抱擁感もしっかりと持ち合わせます。かと思えばシルキーで滑らかな音立ちで繊細で細やかな音像をしっかりとフォーカス。徐々にタッチを持たせたアタックへの表現をこぼすことなく拾い上げてくれるような感覚でミニマム側へのレンジの広さが秀逸。向江氏が持つサウンドのアイデンティティーをまじまじと感じられます。サイドバックメイプルという組み合わせに関しては大手トラディショナルモデルの印象をぬぐい切れない物を感じる方も多いですが、トップにスプルース、サイドバックにメイプルという組合せはすでに構造として洗練しきったと言われるバイオリンなどでは揺るぎないスペックでアーチとフラットトップの違いはあれど小型の楽器へのアプローチとしては一つの正解と言える根拠。マホガニーやローズウッド系とは異なる特有の甘さは格別なものがあります。フォルムや曲線と段を組み合わせた繊細な高い技術からの木工。本物の製作家だからこそ味わえる細部の凝ったディティールもあらゆる箇所に至るまでこだわりを感じられ流石と言えます。最若手ではずば抜けた技術と評価を持つ向江良太氏。少し大振りなギターに疲れた方、ぜひお手に取ってみてください。新しい世界が開ける一本です。※付属ハードケースは胴厚のため、ワンサイズ上の物にクッションを詰めたものになります。
Condition:NEW
Top:Solid Engelmann Spruce
Side:Solid Curly Hard Maple
Back:Solid Curly Hard Maple
Neck:Mahogany 2P
Fingerboard:Ebony
Bridge:Ebony
Machine Head:Gotoh SGL510 Chrome
Fingerboard Inlay:none
Rosette:segment Rosette
Binding:Ebony
Pick Guard:none
Pick up:none
Nut width:44.5mm
Scale:625mm
Case:Original Hard Case