3ピース・バック構造が特徴のモデル"D-35"。それまでのマーチンギターの伝統的な作りを覆したモデルで、その構造故にD-28とは違うサウンドと魅力を堪能できるドレッドノートとしてマーチンギターを語る上で欠かせないモデル。本器はそんな35の初年度である1965年製の珍しいVINTAGE品です。スプルーストップ、ハカランダサイド&バック、マホガニーネック、エボニー指板&ブリッジ、パテントロゴ入りグローバーペグ、MOP指板ドットインレイ、Tバーネックロッド、ノンスキャロップドXブレイシング。28よりも低高域の重心が高めで重たくなり過ぎないバランス感が人気の35ですが、バランス感をそのままに、線の太いドライサウンド、ガランとした空気感・奥行き感のある立体的な響きは流石の経年感を感じさせます。ちゃんと使ってあることを感じさせる個体で、古くなったギターにありがちな眠たさやもたつき感が無く、スッキリとした立ち上がりの良いレスポンス。往年のフォークソングを奏でるのもたまりませんが、輪郭もクリアなのでアルペジオやフィンガーでも粒立ち豊かに発音されます。バックのボトム付近6弦側に10cmほどのクラックリペアあり。裏から当て木をした丁寧な補修です。ペグは一時別のものが取り付けられていたようで、ペグに隠れて見えにくいですがヘッド裏にビス穴の埋め跡が見られます。全体的に塗装の杢目引けやウェザーチェックの入った貫禄のルックスながら、塗装の自然な艶も残った質感も魅力。大きなキズや損なうような手入れも無く、前述のような修正は窺えるものの50余年の経年感は感じさせないコンディションを保った本器。過去にネック周りのリファインもされているようで、現状でもプレイコンディションは良好です。初年度の生産はわずか200本ほどと28に比べ希少。キレイな初年度モノというコレクション的珍しさがありながら、ハカランダ35サウンドを楽しめるPlayable Vintageとしてもオススメな1本です。ハードケース付属。修理詳細はお気軽にお問い合わせ下さい。
Condition:EX++
Top:Solid Spruce
Side:Solid Jacaranda
Back:Solid Jacaranda
Neck:Mahogany
Fingerboard:Ebony
Bridge:Ebony
Fingerboard Inlay:Dots
Rosette:White&Black
Binding:White&Black
Machine Head:Grover
Pick Guard:Tortoise color
Pick up:none
Nut width:42.9mm
Scale:645.2mm
Case:Hard Case